一般歯科と矯正歯科では必要な資格は同じです。つまり歯科医師の資格があれば、矯正歯科医と名乗ることができます。矯正歯科について特別に学んでいない歯科医師でも矯正歯科の診療を始めることが可能です。
つまり、日本矯正歯科学会では患者様が一定の技術を受けることができる基準の一つとして認定医・臨床指導医(旧専門医)制度をつくりました。資格がないと経験や技術があるかないかを見分けるのが難しいと思われる患者様には一つの参考材料になるかと思います。もちろん資格が全てではありませんので、資格がない歯科医師でも素晴らしい技術を持っている方はいらっしゃいます。問題はどうやって見分けるかが重要です。
臨床指導医(旧専門医)・指導医・認定医は日本矯正歯科学会の認定委員会によって知識・経験に基づき認定されています。
日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)
日本矯正歯科学会には従来、認定医・指導医の資格がありました。より高度な技術や経験が必要とされる資格制度として2006年より臨床指導医(旧専門医)という資格認定を始めました。認定医に求められる条件に比べると経験値や様々な症例に対する治療経験など知識や技術が求められる資格となっています。
日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)に認定されるには、以下のような条件があります。
- 認定医資格を取得後、2回以上更新試験に合格していること
- 最近10年以内に矯正臨床に関する論文、著書または学会発表があること
- 学会の指定した10種類の治療例を提示して最低基準をクリアすること
- 口頭試問に合格すること
日本矯正歯科学会指導医
- 13年以上日本矯正歯科学会の会員であること
- 認定医資格を取得してから、大学の矯正歯科において教育指導歴が3年以上あること
- 学会の定める試験に合格すること
日本矯正歯科学会認定医
- 5年以上日本矯正歯科学会の会員であること
- 2年以上大学の矯正歯科で研修医をした後、学会指導医の下でさらに3年以上矯正歯科に専門的に従事すること
- 学会誌にオリジナル論文を発表すること
- 学会の定める試験に合格すること